妊娠中・産後の腓返り(こむらがえり)の原因と対策!ふくらはぎの痛みについて

妊娠中・産後のふくらはぎの痛み

妊娠中や産後に起こりやすい「こむらがえり」。夜寝ている時に起きると、辛くて寝られないですよね。こむらがえりとは、別名「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」といい、ふくらはぎにある「腓腹筋(ひふくきん)」という筋肉が異常収縮することによって起こります。こむらがえりの原因には、脱水・ミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)バランスの崩れ、血行不良、筋肉疲労などがあります。今回は、妊娠中や産後の辛いこむらがえりの対策や予防法についてご紹介します。

妊娠中の腓返り(こむらがえり)とは?

こむら返りふくらはぎは、私たちの体を支え、歩くための重要な筋肉です。ふくらはぎの筋肉は、主に腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋の2つの大きな筋肉で構成されています。腓腹筋はふくらはぎの表面を覆う大きな筋肉で、アキレス腱につながっています。ヒラメ筋は 腓腹筋の下に位置する平たい筋肉で、腓腹筋と共同して足首を動かす働きをします。主に、腓返りは腓腹筋が痙攣したり、意図せず収縮してしまって起こる現象です。妊娠中に起こる腓返り(ふくらはぎのつり)は、多くの妊婦さんが経験する不快な症状です。寝ている時や運動中など、突然ふくらはぎが強く痙攣し、痛みを伴うことが特徴です。

腓返りが起こるときの体の変化

腓返りが起こると、筋肉が意図せず強く収縮し、収縮した筋肉が神経を刺激し、強い痛みを感じます。収縮した筋肉が硬くなり、触るとコリコリとした硬い塊が感じられることがあります。

 

大脳から発信された信号が脊椎中の神経系を通り、ふくらはぎへと直結する末梢神経へ伝達されて収縮運動を起こすのが通常のメカニズムですが、場合によってはその信号がふくらはぎ内の一部の筋肉にしか伝達されないため、その筋肉部のみが過度に収縮するという異常が引き起こされることがあります。この異常な収縮により痙攣を起こしてこむら返りが起きます。一般的には、運動を長時間続けて疲れていたり、ウォーミングアップが不足していたり、体力が落ちていたりする時、運動不足などの時に起こりやすくなります。

特に高齢者の多くは慢性の運動不足のために常に腓腹筋が緊張した状態にあり、少し足を伸ばしたりふくらはぎを打ったりしただけでもこむら返りを起こすことがあります。もちろん、睡眠時にも起こる場合があります。
上記のいずれの要因にも基づかない理由で発生するこむら返りがあり、それは他の疾病が原因として生じる可能性が強いことが指摘されています。他の疾病の例としては、腰椎椎間板ヘルニア、糖尿病、腎不全、動脈硬化、甲状腺異常などが挙げられます。

妊娠中に腓返りが起こる原因

妊娠中に腓返りが起こる原因は、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が考えられており、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル不足が、筋肉の収縮を促し、腓返りを起こしやすくなると考えられています。また、妊娠中は子宮が大きくなり、下半身の血流が悪くなりやすくなります。これにより、筋肉への酸素供給が不足し、痙攣が起こることがあります。他にも、妊娠中はホルモンバランスが大きく変化し、筋肉の収縮に関わる神経伝達物質に影響を与える可能性があります。また、妊娠中の体の変化により、筋肉が緊張しやすくなります。特にふくらはぎは長時間立っていたりすると疲労しやすいため、緊張による痙攣・以上収縮が起こりやすくなります。

腓返りを予防する方法

腓返りを予防する方法は、まずは、バランスの取れた食事を取ること。カルシウム、マグネシウム、カリウムを多く含む食品(牛乳、ヨーグルト、緑葉野菜、豆類など)を積極的に摂るようにしましょう。筋肉の状態を整えることも大切で、軽い運動(ウォーキングなど)などは、血行を良くし、筋肉の柔軟性を高める効果があります。睡眠も大切です。十分な睡眠をとり、体を休ませましょう。水分が不足すると筋肉がパサパサした状態になり、腓返りを起こしやすくなります。こまめに水分を補給し、脱水を防ぎましょう。就寝前や起床時に、ふくらはぎを伸ばすストレッチを行うと良いでしょう。他にも、入浴をシャワーで済ませず、できるだけお風呂にしっかり浸かることで筋肉の緊張をほぐすことができます。

腓返りが起こった時の対処法

では、腓返りが起こってしまった時はどうすれば良いのでしょうか?ふくらはぎを手で優しく押さえながら、つま先を自分の方へゆっくりと引いて、足首を曲げてふくらはぎを伸ばすと、徐々に緊張が解け、痛みも軽減するはずです。痛みが強く、足首を曲げられない場合は、ふくらはぎを優しくマッサージすることで、血行が促進され、痛みを和らげることができます。他の方法では、温かいタオルなどで患部を温めると、筋肉の緊張が緩むことがあります。

まとめ

妊娠中や産後に多くの方が経験する腓返り。筋肉などの末梢器官の状態だけが関係しているのではなく、水分や食事、栄養状態、生活習慣、ホルモンなどの原因が複合的に重なって起きる症状です。睡眠中に起こることも多く、睡眠を妨げる原因になるので、ふくらはぎの筋肉を柔らかく保つために、適度な運動やストレッチ、入浴して緊張をほぐすなどの対策をとってみてください。当院でも腓返りを解消するメニューをご用意しております。ぜひお気軽にご相談くださいね。