「産後に恥骨が痛い」恥骨痛の原因と対策を解説

産後の恥骨痛について

 

出産という大きな出来事を経て、新しい生命との素晴らしい生活が始まります。しかし、同時に多くの女性が悩まされるのが、産後の恥骨の痛みです。一体なぜ、産後に恥骨が痛むのでしょうか?恥骨の痛みは人に相談しにくいデリケートな悩みでもあり、産後の大変な時期に余計に悩んでしまいがちです。でも、大丈夫!私たちはそんな方のお力になりたいと思っています。今回は、産後の恥骨痛について、詳しく解説していきます。

 

恥骨はどこにあるの?(恥骨の位置)

まず、「そもそも、恥骨ってどこにあるの?」という方も多いと思います。

恥骨は、骨盤の前下部、つまり、おへその下あたり、陰毛の生え際付近にある骨です。

位置: 両手で親指をおへそに当て、お腹を下に向かってなぞっていくと、硬い骨に触れます。これが恥骨です。

形状: 左右対称の蝶番のような形をしています。

役割: 骨盤を構成する骨の一つで、体の中心部を支え、内臓を保護する役割があります。

ご自身の恥骨の部位を確認し、そこに産後に痛みがあるようであれば恥骨痛の可能性があります。出産の時に、この恥骨が大きく開いて赤ちゃんの通り道になるんですね。人間の体って改めてすごいですね。

 

産後の恥骨痛ってどんな感じなの?

 

産後の恥骨痛は、人によって感じ方が異なりますが、一般的には以下のような症状が現れます。

これらの症状があるようであれば、恥骨の痛みの可能性があります。

・股関節の痛み: 股関節の奥の方から、鈍い痛みやズキズキとした痛みを感じることがあります。 歩行時の痛み: 歩いたり、立ち上がったりする際に、恥骨に痛みを感じます。

・長時間座っているときの痛み: 椅子から立ち上がる時や、座った姿勢から体勢を変える時に痛みを感じます。

・体重をかけるときの痛み: 片足に体重をかけたり、かがんだりする際に痛みを感じます。

・寝返りを打つときの痛み: 寝返りを打つ際に、痛みで目が覚めてしまうこともあります。

 

恥骨痛の原因

 

恥骨痛はなぜ起こるのでしょうか。

恥骨痛といっても、恥骨が骨折しているわけではなく、出産の際に恥骨が離開して恥骨結合や周囲の筋肉(軟部組織)などを痛めてしまっていることが原因のことが多いです。主要な原因をまとめると、以下になります。

 

・骨盤の開閉: 妊娠中は、赤ちゃんを育むために骨盤が開きます。出産時には、赤ちゃんがスムーズに産道を通るために、骨盤は最大限に開きます。この開閉によって、恥骨結合という部分に負担がかかり、痛みを生じることがあります。

・筋肉の緊張: 妊娠中は、お腹を支えるために腹部の筋肉が緊張します。出産後、この緊張が急に緩むことで、骨盤周りの筋肉バランスが崩れ、痛みを引き起こすことがあります。

・骨盤の歪み: 出産によって骨盤が歪むと、体重がかかるバランスが変わり、恥骨に負担がかかりやすくなります。

・ホルモンバランスの変化: 出産後はホルモンバランスが大きく変化し、関節を緩める作用のあるホルモンが分泌されます。これが、骨盤の緩みや痛みを助長する可能性があります。

 

産後の恥骨痛を放置するとどうなるの?

出産後、安静にしていることで恥骨痛も自然に解消されていくことが多いですが、産後の恥骨痛を放置すると、以下の様な症状が出ることもあります。出産は多くの人にとって人生のなかで一二を争う大きな転換期。生活習慣などを赤ちゃんを中心に変えていく必要性が生じる中で、恥骨痛に悩んでしまうとさらに普段の生活が大変になってしまいます。

・慢性的な痛み: 痛みを我慢していると、慢性的な痛みへと発展し、日常生活に支障をきたす可能性があります。

・骨盤の歪みの悪化: 骨盤の歪みが悪化し、腰痛やO脚、姿勢が悪くなるなどの原因となることがあります。

・精神的な負担: 痛みによる不快感から、精神的なストレスを感じ、産後うつになるリスクが高まることもあります。

産後の恥骨痛、どうすればいいの?(対処法)

 

上述のように、安静にしておくと自然と痛みがなくなっていくことが多いですが、以下の適切なケアを行うことでも改善します。 自宅でできるケア 安静: なるべく安静にし、痛みを悪化させないようにしましょう。

・温熱療法: 温かいタオルなどで患部を温めることで、血行が促進され、痛みが和らぐことがあります。

・骨盤ベルト: 骨盤ベルトを着用することで、骨盤を安定させ、痛みを軽減することができます。

・ストレッチ: 産後の骨盤に優しいストレッチを行うことで、筋肉の緊張をほぐし、痛みを改善することができます。

具体的な恥骨痛のストレッチ例

・猫のポーズ: 四つんばいになり、背中を丸めて顎を胸につけます。その後、背中を反らせて顔を上に向けます。これを繰り返すことで、背骨の柔軟性を高め、骨盤の歪みを改善します。

・ブリッジ: 仰向けになり、膝を立て、お尻を上げて橋のような形を作ります。このポーズは、骨盤底筋を鍛え、骨盤の安定を図ります。

専門家への相談

もし恥骨痛で悩んでおられる方は、ぜひ私どもや専門家にご相談ください。

出産に関わる専門機関では多くの場所で恥骨痛について相談に乗ってくれるはずです。誰かに話して痛みを他者に理解してもらえるだけでも、意外と心が楽になるものです。

・産婦人科:産後の身体の変化について相談し、適切なアドバイスを受けることができます。

・産後ケアを行っている施設: 当店では、産後のママさんに向けて国家資格(あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師)を持った有資格者が産後骨盤矯正などのケアを行っております。

※当店の産後骨盤矯正についての詳細はこちらから→産後骨盤矯正について 

産後の恥骨痛を予防するには?

恥骨痛を防ぐために、出産前から予防的に行うべきこともあります。以下のことになりますが、産婦人科などでは出産前からよく言われることだと思います。

・骨盤ケア: 出産前から骨盤ケアを始めることで、骨盤の歪みを予防し、痛みを軽減することができます。

・バランスの取れた食事: 体重が増えすぎたり、浮腫んでいると恥骨に過剰に負担が掛かる可能性があるため、バランスの取れた食事を意識することも大切です。

・適度な運動: 産後の身体に合った運動を行うことで、筋肉を強化し、骨盤の安定を図ることができます。

産後の恥骨痛に関するよくある質問

・産後の恥骨痛はどのくらいで治りますか? →人によって回復のスピードは異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月で改善することが多いです。

・産後の恥骨痛は帝王切開でも起こりますか? →経膣分娩だけでなく、帝王切開でも起こる可能性があります。

産後の恥骨痛と心のケア

産後の恥骨痛は、身体だけでなく、心にも大きな影響を与えます。痛みによって日常生活に支障が出てしまい、イライラしたり、不安を感じたりすることもあります。対策として以下のことも注意しておくと良いです。何よりも、まずは相談できる人や専門機関を自分の中で決めておくことそれだけで安心です。

周囲に相談する: 痛みがある時は、パートナーや家族に相談してみましょう。 同じ悩みを持つ人と交流する:産後カフェやママ友と交流することで、悩みを共有し、心の負担を軽減できます。

リフレッシュする時間を持つ: 好きなことをして、気分転換をすることも大切です。

まとめ

産後の恥骨痛は、多くの女性が経験する悩みのひとつです。産後の大変な時期には痛みではなく、かわいい赤ちゃんや生活に集中したいのに、恥骨痛があると痛みに気を取られてしまいます。恥骨痛は適切なケアを行うことで改善します。もし、悩んでいる方がいたら、一人で悩まず、専門家に相談することをおすすめします。恥骨に無理な負担をかけない範囲で適度にストレッチや運動を行い、徐々に、自分のペースで回復させていくことが大切です。運動はストレス発散効果も大きいので、少しづつこれを機に自分に合った運動習慣ができると良いですね^^