産後の運動の種類!いつから始めるのが良いの?
出産は身体もホルモンも劇的に変化する時期です。産後なかなか戻らない体重や体型にネガティブな感情を抱くママも少なくないと思います。妊娠中は約10ヶ月かけてゆっくりとおなかの中で赤ちゃんを大切に守り、出産時には数時間で約3キロの赤ちゃんがママのおなかから出てきます。この大きな変化によって、骨盤や筋肉、靭帯などあらゆる組織にダメージが残っています。妊娠・出産のため約10ヶ月かけて変わってきた身体です。同じだけの期間をかけてゆっくりとカラダを元に戻してあげることが、心身ともに負担をかけないためにオススメです。
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産後の運動は心と体のケアになる!
産後の運動は、体力回復やダイエットに役立つだけでなく、精神的な安定にもつながる大切なママのケアです。運動をすることでセロトニンなどの幸福ホルモンが分泌され、日常生活に穏やかな活力が満ちてきます。しかし、いつからどのような運動を始めたら良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
産後の運動を始めるタイミング
基本的に、産褥期(さんじょくき)は赤ちゃんのお世話以外、体を休めることに専念してください。メンタル的にもホルモンバランスが乱れるせいで、イライラしがちだったり、気持ちが憂鬱になりやすいタイミングなので、自分のケアは甘やかす方向でOK。一般的には、産後6週間~8週間の産褥期が終わり、医師から運動を始めても大丈夫と言われたら、少しずつ運動を始めても良いとされています。帝王切開の場合は、傷口の回復状況によって、運動開始時期は個人差があります。必ず医師にご相談ください。また、悪露が止まり、体調が安定していることを確認してから行いましょう。骨盤は産後1か月~2か月で整え、体重・体型は6か月で戻すつもりで取り組むと良いでしょう。
なぜ産後すぐは運動を控える必要があるの?
上述のように、出産には大きな精神的・身体的負担がかかるため、身体が回復するまでは安静が必要です。帝王切開の場合は、傷口が完全に治癒するまで時間がかかります。骨盤底筋は出産によって緩んでいるため、いきなり激しい運動を行うと、尿漏れなどの原因になる可能性があります。産後すぐはゆっくりと休み、産褥期以降に少しづつ運動を始めてみましょう。
産後におすすめの運動と種類
1. 産褥体操
産褥体操は産後の心と身体の回復を助ける効果があり、産褥期(個人差がありますが6~8週間)の身体を正常な状態に戻すために必要な運動の総称です。骨盤底筋群の強化、身体全体の血行促進を目的に行います。体に負担が少ない運動なので、始めやすいことが特徴です。主なメリットは以下になります。
- 悪露の排泄を良くする
- 妊娠、出産によって緩んでしまった筋肉を引き締める
- お産の疲れを早く回復させる
- 母乳の分泌を良くする効果も。
- 便秘、尿もれの予防
- 子宮の収縮や骨盤の引き締めを促す
以下に主な産褥体操の例をご紹介します。
- 深呼吸
- 仰向けになり、ゆっくりと深呼吸をします。
- 全身の力を抜き、リラックスしましょう。
- 足上げ
- 仰向けになり、膝を立てます。
- 片足をゆっくりと上げ、10秒キープします。
- もう片方の足も同様に繰り返します。
- 猫のポーズ
- 四つん這いになり、息を吸いながら背中を丸めます。
- 息を吐きながら背中を反らせます。
- ブリッジ
- 仰向けになり、膝を立てます。
- お尻をゆっくりと持ち上げます。
- ケーゲル体操
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仰向けに横になり、膝を立てます。
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両手をへその下に置きます。
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息を吐きながら、尿やおならを我慢するイメージで骨盤底筋をキュッと締める。このときに下腹部が膨らまないように注意します。
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息を吐き終わったら、反動で勝手に息を吸いこむ動作にともない、自然と骨盤底筋がゆるみます。
2. ウォーキング
最も手短に始められ、続けやすいのがウォーキングです。赤ちゃんをベビーカーに乗せて、近所を散歩するだけでも立派な運動になります。「赤ちゃんが大きくなったら、こんなとこで一緒に遊びたいなぁ」と想像しながら散歩すると夢が膨らんで楽しいですよ。できるだけ緑の多い場所や人が少ないところに行って、精神的なリラックス効果も取り入れられるようにするとなお良いですね。
- 骨盤底筋群の運動
尿漏れの予防、骨盤の安定などに効果があり、産後の運動としておすすめされている運動です。ケーゲル体操も含まれます。骨盤底筋は、目視できない深層の筋肉のため、感覚を掴むのが難しい筋肉ではありますが、寝たままでも行えるため、手軽に鍛えることができます。
4. ヨガ・ピラティス
体幹の強化、柔軟性向上、リラックス効果があります。体に優しいポーズを取りながら行うため、精神的にも余裕ができます。講師の先生に習うか、スクールに通うか、YouTubeなどで検索すると様々な種類の運動が出てきます。
産後の運動の注意点
無理はせず、「少し運動量が少ないかな?」と感じるくらいから始めてください。体調に合わせて、少しずつ運動量を増やしていきましょう。特に初めて運動を始める場合は、必ず医師に相談しましょう。誤った姿勢で運動を行うと、逆に体を痛めてしまう可能性があるため、姿勢をチェックしながら、痛みがある場合は運動を中止しましょう。運動だけでは筋肉は付きません。水分もしっかりと摂り、バランスの取れた食事を心がけましょう。
産後の運動のメリット
産後に運動を積極的に行うことで、妊娠中に付いた脂肪を燃焼し、元の体型に近づけます。また、出産で消耗した 日常生活での体力向上につながり、育児を楽に行えるようになります。産後は、赤ちゃんのお世話や慣れない生活によるストレスが蓄積するもの。運動することで、ストレス解消や気分転換になり、育児のストレスも軽減できます。また、赤ちゃんはすぐに大きくなり、体をいっぱいに使った元気な遊びをするようになります。その時にママやパパも一緒に楽しく遊べるように、今のうちから体力作りやダイエットを目的に運動習慣を確立しておくと良いですよね。
まとめ
産後の運動におすすめの時期と、産後の運動について解説しました。産後は体型が気になる時期でもあります。焦ってしまいがちですが、体型の変化以外にも、様々な生活面での大きな変化が訪れる時期です。余裕を持って焦らず、ゆっくりと体型を元に戻していくことが大切です。今まで運動習慣がなかった人は、ある意味、生涯に渡って運動習慣を身につけられる良い機会です。気長に、続けられる方法で楽しく充実した運動習慣を身に付けられるようにしていきたいですね。