産後ダイエットいつから始める?おすすめの運動や時期は?
出産を経験した多くのママたちが気になることの一つ、それが「産後ダイエット」です。赤ちゃんが生まれた後、体型がなかなか戻りにくいと感じる方も多いと思います。この記事では、産後ダイエットに成功するためのポイントや具体的な運動方法やダイエットを始める時期について解説していきます。ぜひ最後まで見てくださいね。
Contents
産後ダイエットの重要性
産後の体型変化は、ホルモンバランスや妊娠中に増加した脂肪が大きく関係しています。出産後の体は、ホルモンの影響で脂肪が燃焼しにくい状態になるため、自然に体型が戻るわけではありません。そのため、意識的なダイエットが必要になることがあります。
また、産後のダイエットはただ単に痩せるだけでなく、健康を保ちながら体を引き締めることが重要です。無理なダイエットは育児の負担や健康を害する原因となるため、長期的に継続可能な方法を選ぶことが大切です。今後、赤ちゃんと、楽しい幸せな生活を送るために、健康的で動きやすい身体を手に入れましょう。
なぜ産後ダイエットは難しいの?そのメカニズム
産後ダイエットが難しいと感じるのは、単に運動不足や食べ過ぎが原因というわけではありません。出産によって女性ホルモンのバランスが大きく変化し、以下のような体脂肪がつきやすくなる生理的な要因も大きく関わっています。
ホルモンバランスの変化
出産後は、エストロゲン(卵巣から分泌される女性ホルモンの一種で、女性らしさや健康維持に重要な役割を果たしています。)やプロゲステロン(排卵直後から分泌量が増える。妊娠の準備のためのホルモン)といった女性ホルモンが急激に減少します。これらのホルモンが減少すると脂肪がつきやすくなります。
代謝の変化
出産後は基礎代謝量が低下し、消費カロリーが減るため、太りやすくなります。
睡眠不足
睡眠不足もダイエットの天敵です。出産後は新生児のお世話で睡眠不足になりがちで、成長ホルモンの分泌が抑制され、脂肪燃焼が妨げられます。
ストレス
育児のストレスは、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を促し、食欲を増進させたり、脂肪を蓄えやすい状態になります。
骨盤の歪み
妊娠・出産による骨盤の歪みが、血液やリンパの流れを悪化させ、新陳代謝を低下させるため、以前よりもダイエットがしにくい状態になっています。
産後ダイエットを始めるタイミングは?
一般的に、ダイエットは産後2~3ヶ月ごろからスタートするのが良いとされています。産後6〜8週間は「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、この時期に妊娠前の状態に体が少しずつ戻っていきます。
出産直後はしっかりと休息をとり、回復に努めることが大切です。また、産後6ヶ月ごろまでは「ボディリターン期」と呼ばれ、出産のために蓄えていた脂肪や水分を減らそうとします。そのため、この期間中はダイエット効果が現れやすいので、産褥期を過ぎた後から少しずつダイエットを始めるのが効果的です。
ただし、帝王切開をした場合は、傷口の状態が落ち着き、医師から問題ないと診断されるまでは、体を安静にすることが重要です。また、授乳中は母乳分泌により消費エネルギーが増大するため、ダイエットしやすくなっています。まずは産後6ヶ月を目安に、標準体重に近づけていきましょう。
産後ダイエットの具体的な方法
では、産後のダイエットをどのように始めていけば良いでしょうか?以下に具体的にご紹介しますね。
1.食事管理
育児中はどうしても簡単なもので済ましてしまったり、食事をおろそかにしがちですが、ご存知の通り、食事はダイエットにおいて最も重要な要素です。無理に食事を減らすのではなく、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。産後に必要な栄養素を摂りつつ、カロリーをコントロールすることがポイントです。
□タンパク質をしっかり摂る
タンパク質は筋肉の維持や回復に必要な栄養素です。タンパク質が不足し、筋肉の減少や代謝の低下があると、痩せにくい体質になってしまいます。鶏肉や魚、大豆製品、卵などを積極的に摂り入れましょう。また、タンパク質を多く含む食品を摂取すると、満腹感が強いため、過食を防ぐ効果も期待できます。
□食物繊維を豊富に摂る
食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、脂肪の吸収を遅らせる効果もあります。野菜や果物、全粒穀物などを意識的に摂取することで、ダイエットに効果的です。
□水分を十分に補給する
水分補給はダイエットに重要です。 水をたくさん飲むことで代謝が促進され、脂肪燃焼がスムーズになります。 また、授乳中は特に水分が不足しがちなので、常に水分を補給するよう心がけましょう。一度にコップ一杯など多めに飲む必要はなく、1時間に1回、軽く口に水分を含む程度でも脱水を予防することができます。
2.運動習慣の確立
育児で忙しい中でも、少しの時間を活用して運動することが産後ダイエットには欠かせません。有酸素運動や筋トレを行うことで、効率良く脂肪を燃焼させることができます。1日20〜30分程度でも良いので、運動を生活の中に取り入れる意識を高めると、より理想的な体に近づくことができますよ。
□赤ちゃんと一緒にウォーキング
ベビーカーに赤ちゃんを乗せて、一緒に散歩することで、ウォーキングを日課にするのも良いですね。無理なくできる上に、ストレス解消にもなり、育児中のリフレッシュにも繋がります。できるだけ緑が多く、交通の少ない公園などが近所にあれば、愛しい赤ちゃんと静かな環境でリラックスすることができますね。
□大きな筋肉を中心に鍛える
筋肉を付けると基礎代謝量が向上し、痩せやすい身体作りに役立ちます。人体の全体の筋肉量の70%が足に集中しています。特に、ふともも、お尻、ふくらはぎなどの筋肉は人体の中でもかなり大きな筋肉なので、これらを中心に鍛えると効率的に基礎代謝量の高い体を作ることができます。
具体的におすすめの運動方法は、「スクワット」です。立った状態から、かがむ動作を反復するだけなので、特別な道具や場所が必要なく、料理をしながらでも簡単に隙間時間で行うことができます。注意点は、膝を前に突き出してかがむ動作を行うのではなく、お尻を突き出してかがむ動作を行うことです。膝を前に出すと膝を痛める可能性があります。しっかりと屈んで立つ、を10回繰り返すだけで、足(ふとももやお尻)が相当鍛えられているのが実感できるはずです。試してみてくださいね。
3.睡眠と休息の確保
睡眠不足は、ホルモンバランスを崩し、食欲を増進させる原因になります。 育児中は睡眠時間を確保しにくいですが、工夫してできるだけゆっくり休める環境を作れるようにしましょう。赤ちゃんは昼寝をよくするので、一緒に寝るなどして、休める時間を持ちましょう。
4.骨盤矯正
ズボンが引っかかる位置が股関節の出っ張り(大転子という太もも付け根外側の骨の隆起周囲)や下腹部といったところでしたら、骨盤矯正が効果的です。 骨盤の歪みは、血流を阻害し、老廃物の排出を妨げることがあります。骨盤矯正によって血流が改善され、新陳代謝が活発になり、脂肪燃焼を促します。また、骨盤の歪みは、自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。骨盤矯正によって自律神経が安定し、ホルモンバランスが整うことで、痩せやすくなります。
産後ダイエットを続けるためのコツ
産後ダイエットは、継続することが成功の鍵です。 育児で忙しい中でも、無理のない範囲で自分なりにコツコツと続けられる方法を見つけることが大切です。 以下のような工夫で、無理なくダイエットを続けることができます。
小さな目標を設定する
ダイエットに限らず、いきなり大きな目標を定めるのではなく、少しずつ達成可能な小さな目標を設定することがモチベーション維持につながります。一般的に、授乳しながら6ヶ月を目安に標準体重に戻す目標を立てることが推奨されていますが、自分なりの目標を定めて頑張ってみるのがおすすめです。
自分を褒める
「今日はよく頑張った!」と自分に言い聞かせたり、夫に褒めてもらったり、ご褒美として自分に何か好きなものを買ってあげるなどでモチベーションを維持していきましょう。
家族や友人のサポートを受ける
育児は一人で悩んでしまいがちですが、あなたのことをサポートしたい人が周りにいることを忘れないで。 家族や友人の協力を得て、少しでも自分の時間を作ることで、ダイエットの時間を確保しやすくなります。 また、ダイエット仲間を見つけて一緒に取り組むことも楽しみながら続ける秘訣です。
まとめ
産後は、ホルモンの変化などにより、同じダイエットを行っても妊娠前のように体重が減りにくい場合があります。また、産後は出産によって受けた身体的負担が残っているため、激しいダイエットや無理なダイエットは避け、自分なりのペースで続けることが大切です。ダイエットには食事のコントロールや運動習慣の確立がメインになりますが、赤ちゃんと一緒に散歩したり、楽しみながら安心して行える運動から始めると良いと思います。
食事に関しても、食事内容を大きく変えるのではなく、たんぱく質が多めのものを少し多めに食べたり、食物繊維を意識して食べるようにするなど少しづつ生活習慣を変えていくことが大切です。妊娠を経験した皆さんならご存知でしょうが、人間の体はゆっくりと時間をかけて変化していくもの。短期間で急激に体重を減らすダイエット=身体的に無理がある、ということなので、リバウンドの可能性も高くなりますし、精神的にも余裕がなくなってしまいます。
自分のために、そして赤ちゃんのためにも、健康的な生活習慣を身につけ、長期的に健康的な身体を手に入れるためのダイエットであるという認識が大切だと思います。無理のない範囲で今回ご紹介した内容を実践して頂けると幸いです。また、産後の体重や健康のことで何かお困りなことがあれば、ぜひお気軽に当院へ相談してくださいね。